日吉切通し

 松江市八雲町にある、江戸時代に人工的に作った水路です。昔、このあたりを流れていた意宇川(いうがわ)の流れは大きく曲がっていて水がたまりやすく、人々は洪水になやまされていました。それをなんとかしようとして立ち上がったのが、地元の豪農(ごうのう⇒有力な農家)であった周藤彌兵衛(すとうやへい)家の初代であった家正さんです。剣山(つるぎやま)という岩山を削り、流れをまっすぐにする工事を始めました。
 そしてその孫にあたる周藤彌兵衛家の3代であった良刹さんは、56歳のときから工事を97歳になるまで工事を進め、ついに完成させました。それが日吉切通しです。その後、6代の兵蔵さんが追加工事を行い、今の形になりました。工事は全て人の力だけでやっています。主に鑿(のみ)と金づちを使っています。
 これにより洪水は激減し、昔川だったところは広い田畑になり、地元の人たちに大いに役立ちました。今でも多くの人が周藤彌兵衛 さんを尊敬しています。
人間自然科学研究所 (hns.gr.jp)

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